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アートはビジネス
少し旧い記事なのですが、3・15の日本版ニューズウィークに掲載されていた「現代アート相場は右肩上がり」という記事に見る米国のコンテンポラリーアート市場動向。
例えば、25−45歳のアーティストが作成した作品の美術オークション平均落札価格ですが、90年に3万2500ドルだったのが、05年には8万700ドル。オークションの老舗「クリスティーズ」の年間売上高の内コンテンポラリーに限った売上額が、01年に3200万ドルだったのが、現在では1日だけで1億5700万ドルを記録している。また、米国の美術品全体の市場規模成長率6%(過去5年間の成長率)が、コンテンポラリーアートに限った場合はその成長率が15%にもなる。

これだけの数字だけでは大局としてどう美術市場が動いているのか分からないのですが(他の景気動向等との比較数字が無いため)ニューズウィークの論調としては、かつての巨匠中心の古典絵画市場に比べた場合に「より投資をしやすく」「しかも利益増大の見込みがある」現代アート市場は注目ですよ。と、いった程度の内容だと思います。

かつてのルネサンス期の「地中海貿易の拡大→都市国家の隆盛→一部富裕層の台頭→芸術活動への投資活発化」という一連のスパイラルと同様のスパイラルがあるとすれば、例えばアメリカ新興富裕層の経済力と関心がある程度自国内のコンテンポラリー作家に向かっているという現象がこういった数字に現れているということなのでしょう。

そういう意味では、IT投資やネット経済の拡大とアートとの関係は、仮に単なる投資活動のスパイラルがどう繋がっているのか?と、いう点に視点を限ったとしても、関係性アリと言えます。さらに企業活動がある一定の社会活動の領域まで拡大すると(特にその及ぼす影響力の大きい巨大企業に関しては)その文化的投資も企業そのものの品格や世評とも結びつきますから、ますます無視できなくなります。ちょうど今月スタートするカルティエ財団のコレクション展などはその好例でしょうし、既に始まっているドイツ銀行展なども同様に企業活動とアートへの投資、特にコンテンポラリーアートへの投資がいかに重視されているかの証左のように感じます。

国内に限って言うと、冒頭のような数字が語られることも無ければ、ごく一部の企業を除いてコンテンポラリーアートへの投資に意欲的な有名企業の話などもほとんど聞く機会が無いので、なんだか別世界のお話のような気がしてきます。作家やその技法、あるいは鑑賞法など、いわゆる美術関連の言説や教育内容等は、実は物凄く瑣末なことかも知れないのですね。
それが文化的にある一定の価値の認知を受けていない環境下でことさらディティールに入り込んで「美的関心」のみで批評吟味されることの限界を感じます。

アートがビジネスなのは当然として、さらにその上の次元の話ができるようになるといいなぁ..と思います。

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